連絡先

日本放射線影響学会第61回大会
事務局

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長崎市坂本1-12-4
長崎大学原爆後障害医療研究所
分子医学研究分野
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FAX:095-819-7175
E-mail:jrrs61.nagasaki@gmail.com

ご挨拶

一般社団法人 日本放射線影響学会 理事長 藤堂 剛

一般社団法人 日本放射線影響学会 
理事長 藤堂 剛 

この度、長崎大学原爆後障害医療研究所 永山雄二教授におかれましては、日本放射線影響学会第61回大会長をお引き受けいただき、会員を代表してお礼申しあげます。

本学会は、昭和29年太平洋ビキニ環礁において米国により実施された水爆実験で被災した第五福竜丸事件を契機に設立されました。昨年度第60回目となる記念大会が開催され、本年度は新たな一歩を踏み出す第61回大会となります。本学会は、放射線の環境と人体に与える影響を物理・化学・工学・生物学・医学といった分野横断的研究者により多角的に捉える事をめざし発足しました。学際的な特徴を活かし、単に放射線の人体・環境影響を評価するのみでなく、その生体影響の根本要因を生物の基本原理に基づき理解する基礎学問としての一面を拡充させ、応用と基礎との間を繋ぐ領域として発展してきました。

放射線の環境及び人体影響研究の一般社会における立ち位置は大きく変わろうとしています。大きな要因は福島第一原子力発電所事故です。事故をきっかけに、放射線への一般の方々の関心が高まりました。しかしながら、事故後の我々専門家の対応は一般の方々の「放射線の人体影響はどうとらえればいいのか?」との疑問に充分に応えられるものではありませんでした。放射線についての社会への説明がこれまで充分ではなかった事、専門家以外の方々を説得できるだけの包括的かつ充分な説明材料を我々が示せなかった事が原因であり、これらへの対応が社会から強く求められています。一方医療においては、放射線は治療・診察いずれにおいても必須のアイテムであり、その重要度は今後ますます増加すると考えられます。「患者さんが得られる利益と被る不利益」についてのしっかりした論理的根拠は、社会要請の増大に係らず我々が取り組むべき重要課題です。この様な放射線に関する社会的要請の高まりに応える為に、本学会は、多様な放射線科学関連学会の中心となり、応用と基礎との間を繋ぐ学際領域を更に進めていく責務を担っております。一方で、我々の研究を支える科学技術の発展はめざましく、次世代シークエンサの普及やゲノム変異のクローン化技術の進展は、これまでブラックボックスとして着手困難であった放射線作用を実体として捉える事を可能にしてきました。放射線の人体影響をより明確にでき、説得力のある説明への展望が拓けつつあります。研究者は常に新たな手法での研究展開を目指したくなるものですが、研究展開の方向性と社会要請は常に一致するわけではありません。本研究領域は、技術革新に伴う新たなチャレンジによりこれまで不明であった領域に光をあてる事が可能になり、しかもそこから得られる結果が社会要請にマッチしているといった、幸運な状況にあると考えられます。

今大会では、永山大会長より「放射線研究は、世のため人のため」を基本テーマとして設定いただきました。本学会への社会的要請と本分野を取り巻く科学的状況を見据えたテーマであると理解させていただきました。大会長及び研究所全体の基本的考えを反映されたものであり、新たな一歩を踏み出す第61回記念大会にふさわしいテーマであると感じております。

どうか会員諸氏におかれては、闊達な議論により実り大きな大会として盛り上げ、今後の放射線影響学の発展に寄与していただくよう心からお願い申し上げます。

日本放射線影響学会第61回大会 大会長 永山 雄二

日本放射線影響学会第61回大会 
大会長 永山 雄二 

日本放射線影響学会第61回大会を平成30年11月7日(水)から9日(金)の期間、長崎市ブリックホールにて開催させていいただくことになりました。長崎大学原爆後障害医療研究所スタッフや放射線影響研究所の研究者の方を中心に実行委員会を、さらに全国の放射線影響学会会員にもお手伝いいただいてプログラム委員会を設置し、準備を進めております。 なお、日本放射線影響学会大会の長崎市での開催は、1980年の第23回大会(大会長・岡島俊三)、1998年の第41回大会(渡邊正己)、2004年の第47回大会(山下俊一)に続いて4回目となります。

今回の大会のテーマは、「放射線研究は、世のため人のため」としました。勿論すぐに役に立つかどうかわからない、或いは研究者の知的好奇心・探求心による基礎研究も重要です。しかし、古くは原子爆弾、新しいところでは福島での原子力発電所事故による放射線人体影響の懸念を鑑みると、放射線影響研究は、市民生活に密に直結した非常に重要な研究と言えます。しかもその研究範囲は純粋な生物学的な研究から、科学と一般市民との関わり方に関する社会科学的な研究まで広範にわたります。放射線影響研究者の減少が危惧されている中、実はもっと多くの研究者が必要な分野です。さらに、どちらかというと負のイメージを持つ放射線人体影響研究だけでなく、近代医療の診断・治療等には不可欠な正のイメージを持つ医療放射線研究分野も放射線影響研究の重要な位置を占めます。

本大会では、長崎色を出して、以下のシンポジウム・ワークショップを企画しています。指定シンポジウムでは、原爆投下後70年以上経過して放射線後障害を総括する意味で「原爆被爆研究」を組み、福島原発事故を「福島線量評価」の面から議論し、アジアでの緊急被ばく医療への取り組みを「ASIA REMPAN」で紹介します。指定ワークショップでは、学生から社会人までの「放射線教育」を議論します。

また、本大会では次のような新しい取り組みをします。公募シンポジウム・ワークショップは、まとめて公募していたものを、それぞれの定義を明示して個別に応募します。特にシンポジウムは英語使用を推奨します。さらに女性シンポジウムを企画してみます。

加えて、学会に合わせて、市民公開講座を企画しています。昨年ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の運営委員・川崎哲氏に講演の了承をいただいています。

しかし、このような企画を組みはしますが、学会で最も重要なことは、学会員が最新の研究データを持ち寄り、熱く議論を交わすことと考えます。そのためには1人でも多くの方に演題を出していただき、学会に参加いただくことが大事です。それが学会の成功に結び付きます。是非多くの皆様のご参加をよろしくお願いいたします。